役に立たないことの魅力

酒ブタゴマが日に日に盛り上がりを見せています。この日も5年Yくん仕切りで公式「酒ブタゴマ大会」が開催され、ツワモノどもの激しいバトルが繰り広げられました。

興味津々の1年生たち。上級生の強いコマにあこがれます。しかしノーマルなコマではなかなか太刀打ちできないため、今日は特別に1年生だけに強化改造パーツ大放出の大会を開催。さっそく専用工具を使ってネジを打ち込んだりと強いコマ作りにはげみました。

 

わざわざ公園へ酒ブタゴマを持って行き、砂の上で回して穴が開く様を楽しんだり、砂山を崩したり、アリが風で吹き飛ぶ様子に歓声を上げたり・・・遊び方は大人の思考を超え、すでに新しい世界を築き上げています。

 

ミヒャエル・エンデの童話「モモ」。世界を支配しようとする時間泥棒「灰色の男たち」は、子どもたちを支配するためにまず大人たちに「子どもは未来の人的資源だ・・・子どもが役にも立たない遊びに時間を浪費することを許してはいけない」という主張を植え付け、子どもたちは「子どもの家」という収容施設に放り込まれます。その中で子どもたちは何か自分で遊びを工夫することなど許されるはずもなく、大人の監督の下「役に立つこと」ばかりを覚えさせられます。そして子どもたちは、楽しいと思うこと、夢中になること、夢見ることを忘れていきます。・・・

きっと子どもたちは、大人から見て役に立たないようなことに夢中になっているその中から、まさに豊かに生きていくためのうんと根っこの部分、夢とか希望とかそんな言葉だけでは表せないようなものを育んでいるのだと思います。「めっちゃおもろいこと」「夢中になれること」。そんな遊びの時間をたっぷりと作ってあげたいものです。

虹の子クラブがそんな「子どもの家」のような収容施設ではなく、モモや子どもたち、街の人たちが集う「円形劇場」になるよう、そして「灰色の男たち」に立ち向かいみんなの時間を取り戻し、街の人たちみんなにとって大切な存在のモモのような子どもたちがたくさん育っていくように、今の世界に抗い続けたいです。

 

 

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